我が家から5qほどの小金井公園にある「江戸東京たてもの園」に行ってきました。
映画『三丁目の夕日』にちなんでか、昭和30年代のくらしの展示や、
紙芝居、ベーゴマ、竹馬などなど、昔ながらの遊びに参加できるコーナーもあり、
半日では足りないくらいでした。

日 程 行った人 交通手段 テーマ
2006.01.28
(日帰り)
長男・次男・三男・夫・私 自転車  昭和テイストを楽しもう!
 
家族で自転車
 職場のお姐さんに「今、江戸東京たてもの園で面白いイベントやってるよ」と教えられ、行ってみることにしました。映画『三丁目の夕日』の上映にちなんだと思われる、昭和30年代の暮らしを再現した展示があったり、ボンネットバスが走ったり、ベーゴマを教えてくれたり、露店が出たりしているとのこと。息子たちに話すと「行く行く!!」と二つ返事。「ところで“ボンネット”って誰?」・・・アンタたち、絶対“ねこバス”のようなものを想像してるでしょ?

 ちょっと前まで、家族で出かけるときはたいてい車でした。子どもが小さいと荷物が多くなるわ、おむつ交換ができる施設のないところに限ってウンチしちゃう人がいるわ、午後になると寝ちゃう人もいるわで、車の方が何かと便利だったからです。最近は三男のおむつも取れたけれど、1人で自転車に乗れる長男や最初から親の自転車の子ども用座席に乗るしかない三男はともかく、「自転車には乗れるけど遠くまではちょっと」の次男がネックでした。だって彼はブレーキを足でかけるのです・・・。

 それでも、このごろは家から2.5qほどのところにある野川公園などにもなんとか自転車で出かけることができるようになってきたので、ここは思い切って足(ペダル?)を延ばして、江戸東京たてもの園がある小金井公園まで自転車で行くことにしました。次男のブレーキ練習も兼ねて、ということで。往復11q弱。ま、裏道使いつつゆっくり行けば大丈夫でしょう!
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『三丁目の夕日』の世界
 5人が1列になってえっちらおっちら自転車をこぎ、40分くらいかけて到着。気温が上がり始めたお昼前に出発したけれど、ここまでゆっくりだとペダルを踏んでいても体が温まらないので、寒いこと寒いこと!厚着してきて正解です。それでも次男は一生懸命こいでいるので、これ以上ペースを上げようとは言えません。ま、スピードについてはおいおいね。まずは安全運転を重視しましょう。

 江戸東京たてもの園の前に自転車をとめると、まだ雪の残る芝生を見つけた長男がパーッと駆け出し、次男、三男ともそれに続きます。おーい、たてもの園はこっちだぞ。帰りに時間があったら飛ばそうと持ってきた発泡スチロール製の飛行機と、三男お得意の自作の凧をいつの間にか取り出し、遊び始めています。ほんっと、広場があれば遊べる3人です。 もしかして、入園料払ってたてもの園に入らずとも、ここで十分??なんてケチケチ根性もちらりと顔をのぞかせましたが、いやいや、せっかく寒い中ここまで来て、私だって中を見たい!てなわけで、召集開始です。
 

 
 どうにかたてもの園の前に集合させ、ようやく入館。入園料は大人400円、小学生以下無料。入口の券売機で入園券を購入していると、受付のお姉さんが子ども達を呼び寄せ、長男と次男には小学生用のチケットを、三男には折り紙で折ったパンダをくれました。そしてみんなで改札を通って中へと入ります。
(画像をクリックするとと拡大画像が現れます)
『できゆくタワーの足もとで』
 入ってすぐのところに、建設中の東京タワーの写真が飾られています。薄暗い展示場に入ると、『三丁目の夕日』に出てきたのと似たオート三輪や、昔見たことがあるような気がする「原動機つき自転車」が置かれていたり、家庭雑誌や少年雑誌がガラスケースに入れられて展示されていたり。そうそう、長嶋茂雄選手のユニフォームなんてのもありましたっけ。当時の部屋の中を再現したコーナーや、電話ボックスなどもあり、その辺は30年代のみといわず、40年代、地域によっては50年代まで見られたものなので、私にも充分懐かしいものでした。

 子ども達の目には、これらがどのように映ったのか定かではありませんが、あっちこっちの展示を見て回り、それなりに楽しんでいたようです。
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レトロな空間
 展示室を出ると、エントランス広場に出ます。園内の地図で現在地を確認。思いのほか広い敷地が奥に広がっており、火の入った囲炉裏が見られたり、園内をボンネットバスが走ったり(これは期間・曜日限定らしい)となかなかおもしろそうです。

 でもその前に、お腹がすいた〜と子ども達。いつのまにかお昼どきを過ぎており、まずは腹ごしらえすることにしました。地図によると食事処は2箇所あり、そのうちの近い方、「高橋是清邸」の休憩所に入ります。メニューを見て子ども達はみんな「おにぎり!」と即答。おにぎりって、2個で400円のコレ!?親不孝者ーっ!と思ったけれど、お味噌汁もついてだから、ま、こんなもんか。寒いのでどうしても温かいメニューになりがちな大人はカレーライスと讃岐うどんです。普段子どもにあわせて作る甘口カレーに慣れてしまった夫には、ここのカレーはやや辛かったらしい。お子様が注文する場合には要注意です。

 備え付けの電話で注文すると、ウエイトレスさんが運んできてくれます。息子たちは嬉しそうにかぶりつき、あっという間に完食。なぜか私のうどんまでもが一部彼らのお腹におさまり、ようやくお腹が落ち着いたようです(まだ「満腹」ではないというのがオソロシイところ)。とくに暖房のきいていない室内でしたが、温かいごはんのおかげで体が温まりました。

カレーライス 讃岐うどん おにぎり
 

 
 さて、お腹がいっぱいになったところで、再び遊びに出ましょう。まずは長男と次男リクエストのボンネットバスへ。バスを見た次男、「結局ボンネットって何なの??」ようやくボンネットバスというのは「ボンネットくん」をかたどった、あるいは「ボンネットさん」が運転するバスではないことに気づいたご様子。わかってもらえてよかったワ。こちらは整理券がないと乗れないようなので、まずは係員の方から連番の整理券を受け取ります。10分前くらいに発着所に戻るように言われ、それまで昭和初期の建物の並ぶ「下町中通り」で時間を潰すことにしました。

 左右には荒物屋や醤油店、文具店などがあったり、荷物運びの自転車が置いてあったり。つきあたりにはジブリ作品『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルになったといわれる「子宝湯」(銭湯)もあります。一つ一つ入ってみたくなるのですが、子ども達の興味はもっぱらその一角にある広場での羽つきやこま回しに注がれています。「お母さん、行こう!」と手を引っぱられ、強制的に広場に連行されました。

 まずは長男と羽つき。うわ〜、小学生の時以来だよ。最初はなかなか続かなかったけれど、だんだんと私も勘を取り戻し、長男も慣れてきて、カン、コン、カン、・・・と打ち合えるようになりました。こうなるとお互い真剣です。大人と子どもなんてこの際関係ありません。勝負の世界はキビシイのです。
こま回し   羽つきに飽きると、今度はこま回し。学童保育所出身の長男と、現役学童児の次男と、大昔の小学生とーちゃんはお手のもの。地面に置かれた木の枠の上に器用にこまを投げ入れて回しています。どんぐりのこまは回せても、紐で回すこまはからっきしの母と三男は、ここでは見学です。

 ふと隣に目をやると、昔懐かしリム転がしが。私が小学生の頃、すでに「昔の遊び」として、市役所の広場で開催されたイベントでやった覚えがあります。

 スポークがついたままのリムや、本当に枠だけのリムなどがいくつも積まれ、転がすのに使う棒も無造作に何本か置かれています。一組選んでコンクリートの上で転がすと、カラカラカラカラーーッ!と結構な大音響。見慣れない遊びに興味をそそられたか、それともいい大人が1人でリム転がしに興じる姿を哀れに思ってか、音を聞きつけて三兄弟がわれもわれもと集まってきました。まっすぐ転がすのは意外に難しいのよ!母ちゃんについといで!!(画像はウチの子達ではありまセン)
リム転がし
竹馬
 さらに奥には竹馬が並んでいます。竹で作ったものではなく、それこそ私が小学生の頃流行った「カラー竹馬」です。♪タンタン竹馬カラー竹馬、タンタン竹馬カラー竹馬・・・♪当時のCMの音楽が頭の中でグールグル。しかし夫はその歌に記憶がないと言うではありませんか。同い年のはずなのにナゼ!?トボけているのか!?しかしそうだとしてもその意図がわかりません・・・。

 竹馬は、長さの違うものが何組もあり、長男と次男が挑戦。苦戦しつつも、やっているうちに長男の方はそこそこ乗れるようになり、ホクホク顔です。なかなかできない次男はちょっとご機嫌斜め気味でしたが、棒を押さえてやるとなんとかゆっくり進めるので、爆発は免れたご様子。代わりに母の腕の筋肉が爆発寸前です。
 
 ・・・私?そりゃ〜もう、昔とった杵柄で・・・って、そこまで上手くはないけれど、実家にもあってしょっちゅう乗っていただけあって、今でも乗り方を体が覚えており、難なく歩けました。むかぁし練習した「片足ケンケン」も披露。長男と次男の尊敬の眼差し(?)を一身に浴び、おかあちゃん、大得意です。

 そして、出ましたベーゴマ!糸の巻き方は普通のこまと変わらないらしいのだけど、小さいのと軸がないのとで、糸を巻きつけるのからひと苦労の様子。次男が苦戦しています。夫も、糸は巻けても、布を張った樽の上で回すのがなかなかできなくて悪戦苦闘。あっちへ飛び、こっちへ飛び、ちっとも樽の上でじっと回っていません。活きがいいったら。
(画像にマウスポインタを当てると拡大します→)
ベーゴマ
ようやく成功!  ボランティアの人らしいおじさんは、さっきいとも簡単に回していたのだけれどねぇ。コツを教えてくれるらしいのですが、たまたま他のところに行っているらしく、周りに姿が見えません。

 何度か挑戦しているうちに、ようやく1回、樽の上で回すことに成功しました。コレが証拠写真(笑)。
(←画像をクリックすると拡大写真が現れます)

 人と競争するまでには、まだまだ修行が必要なようです。

 大人には懐かしく、子どもには新鮮な遊びがここにはたくさんありました。次はコレ、今度はアレ・・・と遊んでいるうちに、・・・はっっ!ボンネットバスの時間過ぎてるっっっ!!

 慌てて発着所に駆けていくも、ときすでに遅し、バスは影も形もありませんでした。あ〜行っちゃったか・・・。でも、係の人に聞いてみたら、次は30分後とのこと。じゃあ今度こそ!ということで、もう一度整理券をもらい、20分後に再度来る事を約束して、また「下町中通り」に戻りました。

 ここでまた遊び始めると、さっきの二の舞。とりあえず広場の手前にある休憩所で風を避け、さて20分弱、何して過ごそうかと話していると、ちょうどその休憩所で紙芝居が始まるとの呼び込みが始まりました。ナイスタイミングです。

紙芝居屋さん 今日のお話は『わらしべ長者』。自転車にいろんな小道具を積んだ紙芝居屋さん風のおじさんが、絶妙な抑揚や効果音ををつけながら、面白おかしく読んでいきます。息子たちは、とりわけ三男は、もうくぎづけです。
(画像をクリックすると拡大画像が現れます)

 1話終わったところでちょうどバスの集合時間。紙芝居はもう1話あるようだったけれど、また乗り遅れても何なので、そこで休憩所を出ることにしました。


 発着所に着くと、すでにバスが待機していました。まだ乗り込む事はできないので、整理券の順番に列を作って待ちます。我が家は8番から12番。7番の人の後ろに並び、息子たちはワクワク、ソワソワ。お客さんも結構な数です。(画像をクリックすると拡大画像が現れます)

 やがて改札が始まり、赤い鼻をつけてチョンマゲを模したニット帽をかぶったおじさんに整理券を見せて乗り込みます。な、なぜに赤鼻?なぜにチョンマゲ??
ボンネットバス

 そしてこのおじさん、バスの中ではガイド役も務めており、語りがなかなか面白いのです。自らをぺ・ヨンジュンと称すその度胸にも脱帽。園内の遊覧運行中、バス内はヨン様オンステージです。あっという間に一周が終わり、おじさんがすっかり気に入ってしまった次男は、もう1回乗りたいとねだるほど。結局三男も便乗して乗りたい乗りたいと言うので、次男と三男と私だけでまたもバスの整理券をゲットし、もう一周してきたのでした。
子宝湯  さて、2回めのバスを待つ間や、バスを降りた後、子ども達の遊びの合間を縫って、「下町中通り」を中心にその他の展示も少しずつ見て回りました。

 最初に気になっていた「子宝湯」にも行ってみました。ちゃんと中の脱衣所や番台、浴場も再現されており、もちろんお湯ははってありませんが、湯舟にも入れます。(画像をクリックすると拡大画像が現れます)
 三男は大喜びで湯舟に入れてもらったけれど、出られなくなって半ベソ。それでも助け出してやるとまた入りたがるのでした。ちったあ学習しろっての(笑)。

 次男は洗い場で声が響くのが楽しくて、「このイクラ、おいくら?」「チーターが落っこチーター」「羊羹はようかんで食べましょう」などと意味不明のオヤジギャグを大声で連発し、周りの失笑(イヤ、嘲笑・・・?)を買っていました・・・。
(画像にマウスポインタを当てると浴場の画像が見られます。もちろん入浴中の人などはおりませんのであしからず!?)
「子宝湯」の中

 「子宝湯」の隣、居酒屋「鍵屋」の座敷。右隣はカウンター席になっています。

 宴会用の座敷なのか、店主の住居部分なのか・・・??

 奥には旧式の洗濯機も見えます。

 三省堂(さんしょうどう)の店内。ここも、『千と千尋の神隠し』のモデルになったのだとか。釜じいのボイラー室だそうで、そういえばこんな感じでたくさんの引き出しが並んでいたっけ。
(画像にマウスポインタを当てると引き出しのところを拡大します)

 あちこち見て回ったり、露店でおやつを買って食べたり、また遊具で遊んだりしているうちに、あっという間に閉園時間。まだ園内には見ていないところがたくさんあるけれど、今日はここまでです。
三省堂文具店
 せめて帰りは違う場所を通って出ようということで、お昼を食べた「高橋是清邸」の裏を通って出口に向かいます。屋敷の裏も当時の庭園の一部を復元しているとかで、思いがけず風情のある一角でした。
(画像をクリックすると拡大画像が現れます)

 そういえば、火の入った囲炉裏が見られるということだったけれど、行きそびれちゃったな。園内の西側部分もボンネットバスで通り過ぎただけだし、下町中通りの路地裏ももうちょっと見てみたいし、近いうちにまた来ようねと話しながら門を出ました。
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またのお楽しみ
 半日遊びまわって疲れたけれど、帰りも自転車で帰らなければなりません。そういや三男は昼寝してないけど、よく起きてるな〜。

 往路とまったく同じ並び順で、まったく同じ道を通って帰ります。でも、なぜか帰りは30分くらいで家に到着できました。次男にはお疲れ様だったけど、片道5qくらいならみんなで自転車で行けることがわかり、これからの行動範囲が広がりそうです。しかも手でブレーキをかけるという高等技術をようやく体得した次男、次も自転車で行く気満々です。

 とりあえず、江戸東京たてもの園にはまた行くけれど、ここは小金井公園のほんの一角。公園内にはグラスそりやわんぱく広場、サイクリングコースもあることだし、江戸東京たてもの園を含む小金井公園が、しばらく我が家のブームになりそうです。
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