旅行計画と下準備
 
 困った。

 外泊の許可が出たはいいけれど、旅程です。

 行き先は、最初はどこでも良かったのです。普通と順番が逆だけど、一人旅すること自体が目的だったのでまるで考えていませんでした。12月は何かと忙しいから、行くのは早くても年明けになるでしょう。その寒い時期に花でも見られるところはないかとインターネットで検索したら、淡路島の水仙郷が1月に見頃を迎えるとの事。山の斜面いっぱいに水仙が咲き誇るんだって・・・見てみたいなー。

 で、目的地は結構あっさり決定。さっそく本屋さんへ行って、詳しい地図つきの淡路島のガイドブック1冊と、関西の安い宿のガイド1冊、それと時刻表を買ってきました。さて、淡路島の中で他に立ち寄りたいところは・・・国営明石海峡公園、淡路島牧場、鳴門のうず潮、五色浜、もしできれば震災記念公園。ちょっとちょっと。見事に点在してるなぁ。淡路島一周しろってこと?しかしこれは・・・東京〜淡路島間の移動時間も考えると、一泊じゃあ全部見るのは無理。

 夫は一人旅を許可してくれたけど、それにその時、特に何日間とも断ってないけど、でもきっと1泊2日だと思っているはず。うーん、見たいところをいくつか諦めるしかないか・・・。(じゃあ淡路島を諦めよう、とは思わないところがミソ)

 宿は、南の方の三原町に安い宿を見つけました。ここに泊まってバスで移動するか、その宿で貸し出しているレンタサイクルを足に、あちこち観光するか。・・・ん?レンタサイクル・・・?

 今にして思えば、この時の思いつきがこの自転車旅行のきっかけでした。

 レンタサイクル・・・。そうか、自転車で観光地を巡りつつ淡路島一周っていうのも楽しそうかも!?だけど、それだと何日かかるんだろう。やっぱり1泊2日じゃ無理だ。いや、そもそも私に自転車で完走できるんだろうか。淡路島って、一周何キロ?

 どのみち、1泊では無理そうだったので、夫に頼んでみることにしました。ちょっと欲張って3泊4日。う〜ん我ながら図々しい。夫はちょっと考えていたけど、近くに住む私の父母が、長男と次男に「近いうちに泊まりで遊びにおいで」と言っていたのを思い出し、その日に合わせて行くならいいよ、と承諾してくれました。ついでに交換条件で自分の次回のゴルフ参加権を要求するところはちゃっかりしています。早速実家に連絡し、1月の成人の日の連休で泊まりに行かせる約束をとりつけました。

 さて。3泊できるなら自転車で一周も本当に可能じゃないですか。でも、調べてみると、淡路島の北端の岩屋フェリーターミナル付近に町営のレンタサイクルはあったけれど、日をまたいで借りることはできないとの事。そりゃそうかー・・・。

 ところが困ったことに、いざ自転車が借りられないとなると、諦めるどころか何とかして自転車で淡路島一周を実現したくなってしまうというやっかいな性分。一度思いついてしまったら、それ以外の旅程に変えるのは何となく悔しい。しかも、できないのは自分が原因ではないというのが、さらに未練を残してしまう・・・。何とか4日間自転車を確保できる方法はないものかなぁ?

 で、考えた末に、長男が生まれたときに、レンタルショップでチャイルドカーシートを数ヶ月間レンタルしたことを思い出しました。そういう店で、自転車を貸してくれないかな?

 探してみると、あった、あった、ありました!マウンテンバイクのレンタルもやっているらしい。4日間でもOK。明石側だから、フェリーに乗せる料金がかかるけど、片道200円程度だし、電話で聞いてみたら、配達無料で明石のフェリーターミナルまで持ってきてくれるというじゃないですか。もうこれでキマリでしょう。

 そこからはトントン拍子に進みました。新幹線の切符の手配、3泊の宿の手配。
それと、自転車での旅行の準備。借りられる自転車は、泥よけも荷台も、当然カゴもついていないとのこと。当たり前か。いつも乗ってるママチャリと一緒にしちゃいけません。

 最初は別にいらないかと思っていたけれど、泥よけがないと、雨が降った時背中がスゴいことになるよと夫に言われ、確かに日程内で完走するには雨でも走らなきゃならないしなぁと思い、激安の泥よけを購入。本当は泥よけつきの荷台が欲しかったのだけど、結構いい値段するので、さすがに今回のためだけに買う度胸はありませんでした。

 その他、小型の空気入れとパンク修理セットも購入。ネットで他の方々が書いた旅行記を読んでコースの選定をし、地図で交差点の名前や目印まで確認。外れたチェーンの直し方も調べました。街以外のところでパンクしたら泣きを見ることは目に見えているので、パンク修理も練習。すまない、息子よ。キミのマウンテンバイク(もどき)で練習したことをここに白状します。あの後、普通に走ってるから大丈夫だよね・・・?

 そして、1月10日がやってきました。


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