淡路島までの道のり
2004年1月10日(土) 
 朝5時起床。普段は1分1秒でも長く寝ていたいクチなのに、遊びに行くときは目覚ましもなく起きられてしまうのはどうしてでしょう?身支度を済ませ、荷物の再チェックをし、朝食を食べて、6時に出発。

 みんなを起こさずそっと出ようと思っていたら、夫だけ起きだしてきてお見送りしてくれながら言いました。

 「くれぐれも、『迷っちゃった〜。山と畑が見えて、そばに川が流れてるけど、ここどこ?』とかって電話してこないようにね。全然わかんないから」(自分で何とかするもん)
 「ボディガードに男性型マネキンを連れて行けば?」(あるか、うちにそんなもん)
 「それとも車のナビを外してしょってく?」(・・・・・・・。)

 ・・・ちょっとアンタ、心配してんの?馬鹿にしてんの!?
「いやいや、心配して言ってるんだよ〜」
いーや、絶対ウソだ。目が真実を語っていない。

 淡路島までの行き方は、ネットやらガイドやら時刻表やらでしつこいくらいに調べてあります。普段あまり電車には乗りつけない分、予習はカンペキ。環状路線である山手(やまのて)線を使うと、ホームで確認してから乗っているつもりなのに、どういうわけかいつも反対方向の電車に乗ってしまう困った習性を持つ私でも、無事にたどり着けるはず!

 新神戸までは最寄のM駅から東京駅に出て新幹線「のぞみ」に乗るだけ。神戸市営地下鉄に乗りかえ、次の三宮駅で降りていったん外へ出て、JR東海道本線の三ノ宮駅まで2分ほど歩きます。三ノ宮駅からは快速に乗り15分ちょっとで明石に到着しました。明石から「たこフェリー」のターミナルまでは徒歩10分というところでしょうか。ここで自転車を受け取る約束になっているのです。

 乗船手続きをする前に、レンタルショップの方との待ち合わせ場所へ向かいました。ひと通り説明を受けた後、マウンテンバイクを受け取り、向きを変えようと持ち上げてみてびっくり。うわっ、か、軽い!普段乗っているママチャリとは雲泥の差。そりゃあ、私のは前カゴが子ども用座席になっていて、さらに後部にももう一つ子ども用座席をつけているので24〜5sあるし、その上それぞれの座席に13sと18sの息子を乗せて走るのだから、重くて当然なのだけれど・・・えー?こんな軽いのがあるんだ。片手で持ち上げられそうな気までしてきましたが、恥ずかしいのでここで試すのはやめておきました。

 そうこうしている間に乗船時間になりました。淡路島に自転車旅行した人達のサイトで何度も見かけた「たこフェリー」。でも、私の乗る便は、残念ながらたこの絵のついた「あさしお丸」ではなく、「あさかぜ丸」というシンプルな船体の船でした。全部の便がたこの絵ってわけじゃあないらしい。

明石海峡大橋。(クリックで拡大) 係員の方に誘導されて、一番乗りで車両甲板の奥へ。自転車での乗船は私だけのようでした。いかにもやり方を知らないと思われたか、自転車の固定は係員のお兄さんがやってくれました。ほんとに知らないのでラッキーだったのですが。そして一番近くの階段からデッキへと上がると、うわ〜、明石海峡大橋がすぐそこに見える!と、いうことは、その向こうに見えているのは淡路島!目的地に向かっているのだから見えて当たり前なのだけれど、いざ目の前にすると、喜びもひとしお。ああ、本当にここまで来たんだなぁ。

出航直後、なにやら楽しげな音楽とともに船内放送が突然始まり、ズッこけながらもちょっとウケました。あれが「たこフェリー音頭」なのでしょうか?聴きなれているのか、周りの人たちは無反応の中、一人で笑ってしまった・・・不覚。

 約20分の船旅の間、デッキから写真を撮ったり、客室で明石海峡大橋を眺めたり。やがて、明石海峡大橋をくぐり、岩屋港へ着岸。車両甲板へ降りると、やはり自転車を固定する場所には私のマウンテンバイクしかありませんでした。入り口とは反対の扉が開くので、入るときに一番奥にとめると下船のときは一番初めに下りることになります。うしろは車ばかりですが、邪魔に思われてクラクションをならされたりするのも嫌なので、急いでフェリーから降りました。

 さあ、とうとう淡路島の入り口、岩屋港です。フェリーターミナルといっても、駐車場と料金所と待合室の建物しかありません。端の方にお土産屋さんらしき店舗は見えるものの、軒並みシャッターが下りています。土曜日の昼間だというのに、稼がなくていいのかしら?と余計な心配をしてみたけれど、フェリーで訪れる観光客は、もしかしたらあまりいないのかもしれないなぁ。

 さて、明石港では時間がなくてできなかったけれど、借りた自転車を自分仕様にしなくては。前カゴ代わりに持ってきた小さいバッグをハンドルの前にくくりつけ、パンク修理セットや工具、カメラなど、重たいものを詰め替えます。泥よけは、ねじ穴の角度が合わなくて慌てましたが、無理矢理取りつけ、息子の自転車からくすねてきた拝借したバックミラーも装着しました。空気入れは、金具のついていないものだったので、持ってきたワイヤーで「ダウンチューブ」とやらにくくりつけましたが、う〜ん、それがなかなかに貧乏くさい。けど少しでもリュックの中身は軽くしたいし。全部取りつけ終わって改めて自転車を眺めると、本物の自転車乗りの人が見たら泣きたくなるんじゃないかというくらい邪道な自転車になりました。

 ひととおり準備を終え、14時30分出発。やっと、やっと、自転車旅行の始まりです。

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