せまり来る日没
2004年1月10日(土)
岩屋〜洲本 約30q
宿泊:淡路プリンスホテル
                         
 岩屋をスタートに時計回りで一周する予定。今日の目的地は約30q先の洲本です。きれいに整備された道。向こうから走ってきました。ビジネスホテルを予約してあるけれど、夕食はお願いしていないので、夕方までに着いて宿に荷物を置いてから食事に行けばいいかな。今日は海沿いに走る国道28号を、ただひたすら道なりに進むだけ。迷う心配はほとんどなかったけれど、念のため地図を確認し、自転車をこぎ出しました。借りた自転車は、最初は乗りなれなくてちょっとふらつきましたが、少し走るうちに体が慣れてきました。するとスピードもぐんぐん上がり、風をきって気持ちいい〜!

 心配していた寒さも、晴れていたためかそれほどではなく、本当に快適。車はあまり通らないし、岩屋を出てしばらくは歩道も広いし、左側にはきれいな海がキラキラと広がっています。道は迷いようもない一本道。時々停まって写真におさめつつ、先へ、先へ。
ビーフランド大公の看板(?)。クリックでちょっと拡大。
 途中、こんな看板(?)を見つけ、つい撮ってしまいました。あとで調べてわかったのですが、「ビーフランド大公」という淡路牛を扱ったステーキ屋さんの看板だそうで、雑誌などで取り上げられて結構有名らしいです。でも、コレはあまりにも唐突な気が・・・(笑)。

 かれこれ1時間半くらい走ったでしょうか。それまで、景色に気をとられていて気がつかなかったけれど、何だか前輪の方からウィーーーーという音が聞こえてくるような気がしました。ダイナモが回っているような音。あれ?ライトがついたままになっているのかな??と覗き込んでびっくり。・・・・あ?ライト・・・ライトが、ライトがついていない!!!点いていないんじゃない、最初からライトそのものが付いていないのです。

 レンタルの、しかもマウンテンバイク。今にして思えば当然のことですが、生まれてこのかた、子ども用自転車とママチャリしか乗ったことのない私は、標準の「ママチャリでない自転車」にどれだけのものがついているのかさえよく知らなかったのです。ライトなんてママチャリには当たり前のようについているから、考えが及びませんでした。

 しかしこれには焦りました。夜走るつもりはないけれど、少なくとも今日は、洲本に着く前にかなり薄暗くなっていると思われます。順調にいけばライトは必要ないかもしれないけど、もし道に迷ったり、パンクしたりなどのアクシデントがあれば、真っ暗になってしまいます。まわりを見回すと、しっかり舗装され、ガードレールもそれなりにあるちゃんとした道路なのに、街灯というものがほとんどありません。おそらく夜は真っ暗。こんなところでライトもなしに走ったら、車に轢かれるか、海に落ちるかどっちかなのでは・・・これはまずい、本格的に暗くなる前に、どこかでライトを手に入れなくちゃあ。でも、どこで・・・?

 幸い市街地だったので、自転車屋さんがあったら飛び込もうと思うのだけれど、それらしき店が見あたりません。やっと見つけたコンビニもどきの店に入り、せめて懐中電灯をと店員さんに訊いてみたけれど、扱っていないとのこと。紹介された電気屋さんに行ってみるも、2軒ともお休みでシャッターが下りています。どうしよう、どうしよう?こうしているうちにも、時間は刻一刻と過ぎていきます。ともかく先へ進みながら、なんとか手に入れるしかありません。モタモタしてたら、本当に洲本につく前に真っ暗になってしまいます。この際、照明なら何でもいい!懐中電灯だろうが、ヘッドランプだろうが・・・。焦燥感にかられて自転車をとばしているうちに、やっと、やっと、ホンモノのコンビニエンスストアを発見!!はああぁぁぁ〜助かった・・・。

 懐中電灯と電池を買い、持って来たゴムバンドで自転車にくくりつけて、とりあえず闇の中を走行する心配だけはなくなりました。見てくれはどうあれ、なんとか暗くなる前に入手できてよかった。まだ点灯しなくても大丈夫な明るさでしたが、これから確実に暗くなっていく状況の中で、照明がないのは本当に不安でした。「暗くなってもライトがある」というだけで、こんなに安心して走れるとは。

 相変わらず、ライトが点いているようなウィーーーーという音は続いています。どうやら、ブロックタイヤが路面との摩擦で鳴っているみたい。ブロックタイヤって、パンクしにくいと聞いたけれど、ゴツゴツしているのと、接地面積が広い分、ペダルが少し重い気もします。もちろん私のママチャリよりはずっとこぎやすいけど、もう少し細くて凹凸の少ないタイヤなら、もうちょっとラクなのに、とも思いました。けれど、この音のお陰でライトがないことに早めに気がつけたのだから、まあ許すとしまショウ。
洲本付近で。ほんとは太陽が隠れる前に撮りたかったのだけれど・・・。
 何度か住宅地や海沿いの道を繰り返すうちに、洲本に着きました。時刻は17時。幸い、懐中電灯を使うほどの暗さにはならないうちにホテルに到着。朝食の予約をし、部屋の鍵を受け取ります。どうやら宿泊客は、私を含めて3人しかいないようです。部屋は予約時に選べたので和室。今どき珍しい砂壁でしたが、こぎれいで、バス・トイレつき。これで5,250円、朝食込みでも5,950円なら、このあたりのほかの宿に比べ格安ではないかと思います。

 部屋に用意されていたポットのお湯でお茶を一杯飲んでから、近くにある大型スーパー、ジャスコの1階にある自転車店へ。今日はずっと荷物を背負っての走行でしたが、明日は今回の旅行の最難関と思われる、立川水仙郷前後の山越えが待っています。やっぱり何とかして自転車に荷物をくくりつけないとキツそうだと思い、ライトを横目に見つつ、荷台を探しました。ところが、ママチャリ用の荷台はあっても、マウンテンバイクにつけられるようなのは見あたらず、店のオジチャンに聞いてみると、シートポストに通すだけの簡単なのがあったけれど在庫を切らしていて取り寄せに一週間かかるとの事。仕方なくマウンテンバイク用の前カゴを購入しました。本体にキズをつけずに装着できて、取り外しの簡単なもの。帰りには外して返さなきゃならないからね。

 取りつけをお願いしてしまい、食事をしに店を出ました。気を抜くとぐーと鳴りそうなほど空腹でしたが、カゴは予定外の出費だったため、節約するべく食事はジャスコの最上階のファミレスで済ませました。ミニまぐろ丼にサラダとドリンクバーをつけて745円也。別に淡路島名物でもなんでもない夕食でしたが、見知らぬ土地で30q自転車を走らせたあとの空腹には嬉しかった〜。自転車店に戻り、愛車(借り物だけど。まだ半日しか乗ってないけど。)を見ると、まあそれなりに格好良くカゴがついていました。出費はイタかったけれど、明日の山登りを思えば、このくらいの投資は仕方ないかな。

 帰り道はいよいよ懐中電灯の出番。ホテルに戻ってお風呂に入り、家に電話を入れて無事を告げたあと、明日の旅程を確認して、早々に寝ました。

 一人旅初日、無事終了。自分で自分にお疲れさま〜。

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