灘黒岩水仙郷
2004年1月11日(日)
洲本〜灘黒岩水仙郷〜淡路島牧場〜諭鶴羽(ゆずるは)ダム付近 約50q
宿泊:三原町サイクリングターミナル ゆずるは荘
          
 目覚ましが鳴る前に目が覚めました。時計を見ると朝の6時。普段だったら、「あ〜、あとちょっと寝られる。」と、幸せな気分で2度寝する時間ですが、今日は眠っている場合ではありません。なにしろ今日は、目的地を淡路島に定めた、一番のポイントである水仙郷まで行くのです。しかも、淡路島を一周する中で、おそらく最もキツいと思われる山岳地帯。自転車?そりゃーもう、手押しする自信満々です。こいで山越えなんて、アタシにゃ絶対ムリ。さっさとエネルギー補給して、できるだけ早く出発しなくては!

 水仙郷は、立川水仙郷というのと、灘黒岩水仙郷というのと、2ヶ所あるようですが、私の目的地は灘黒岩水仙郷の方。時間があれば両方見ても良いのでしょうが、今日は昨日の倍くらいの距離の、しかも山道を走る予定なので、どのくらい時間がかかるか読めません。

 また、立川水仙郷の方は、せっかく坂を上って到着したところで、入り口から駐車場までいきなり急な下り坂だとか。下るということは、戻るときはまた上らなくてはいけないわけで、そのくらいは、いくら回転の悪い私の頭でも思いつきます。その点、灘黒岩水仙郷のほうは、ほとんど平らな道の途中にあり、駐車場に自転車を置いたらすぐそこの斜面に水仙が咲いているようです。

 朝食を食べ、チェックアウトをして、荷物を自転車にセットし、コンビニで飲料や非常食を買ったりしているうちに、いつの間にか8時半。予定より遅くなってしまいましたが、県道76号に入り、いざ、山登りへ出発です。

 とはいえ、初めのうちは、昨日までと同じ平坦な道。45分くらいでたどり着いた生石公園付近から上り坂が唐突に始まります。しかも長くて、見える限り上りが続いているようです。覚悟していたとはいえ、やっぱりきっつい〜。ギアを軽くしてしばらく頑張ったけれど、ほどなくリタイア、あきらめて自転車を降り、予定通り押して上ることになりました。

 これはこれで別の筋肉を使うのか、手押しで歩けばどこまでも上っていけるかというとそうでもありません。ただ、自転車が軽いというのがせめてもの救い。旅行の荷物を乗せた自転車を押して上るのもしんどいけど、荷物を背中に背負っていた昨日に比べればまだマシでしょう。わかった、26インチのキャスターつきの荷物を運んでいると思うことにしよう。そうしよう。

 自転車を押すのに疲れたらまた自転車にまたがり、こぐのが辛くなったらまた降りて押し、の繰り返し。ふうふう言いながら上ります。どうでもいいけど、そこかしこにやたらと「ナゾのパラダイス」の看板が目立ちます。というより、山道の途中はコレとモンキーセンターの看板くらいしか見なかったなぁ。「ナゾのパラダイス」、ネーミングのみならず、看板もかなりアヤしげ。ギャグなのかマジなのか、失礼ながらどう見てもちょっとヘン(写真撮って来るんだった・・・)。立川水仙郷にあるらしく、それもあって灘黒岩水仙郷の方を選んだのですが・・・これは後から調べたことですが、ナゾのパラダイス、どうやら女性の一人旅や、まして間違っても家族連れなんかでは決して立ち寄ってはイケナイ場所のようです。

 1時間ほど押したりこいだりしているうちに、なんとかその立川水仙郷に到着。予習どおり、やはり入り口から急な下り坂で、入る車が短い列を成しているのを横目に通り過ぎると、まもなく道も下り坂に。ヒューーーッと風をきって下っていきます。やー、気持ちいいナー。1月だというのに上りで汗ばんだ額を、風が冷やしてくれます。水仙郷の入り口では何台か車が並んでいたけど、道には車もそれほど多くなく、快適快適。

 でも下りはあっという間に終わり、やがてまた上り坂。次の下りまで頑張るか・・・。地図を見るとまだまだ山道は続きます。しかも、立川水仙郷のあたりもメじゃないほどの、クラクラするような九十九折りの道が地図には記されています。大変なのはこれからか・・・と思いつつ、ウンウンいいながら山道を進むなか、途中雪がちらついたりもしましたが、坂道を上っている身には、あまり寒さも感じません。それよりも気になるのはやっぱりアノくねくねした山道。水仙郷までの坂道よりキツいのかなぁ。やだなぁ。

 ところがいざ行ってみると、その九十九折りはずーっと下り坂。ラッキぃぃぃーー!!カーブが多いのでそうそうスピードは出せませんが、スゴい上り下りを覚悟していただけに、お得感倍増です。・・・ん?でもコレ、反対から来る人にとっては、地獄ってことかな・・・?

 坂を下りきると、そこからは海沿いのほぼ平坦な道に戻ります。はぁ〜。とりあえずひと山越えました。ここからしばらくは、ずーっとこんな感じで左手に海を眺めながら走れるはずです。
駐車場に自転車を置き遊歩道を登ります。(クリックで拡大)
 11時、灘黒岩水仙郷に到着。道中、渋滞なんてまったくなかったのに、ここだけは、出る車、入る車でごった返していました。受付のそばに自転車をとめさせてもらい、遊歩道に沿って歩いて斜面を登ります。本当に、見ごろを迎えているというだけあって、一面に水仙の花、花、花・・・!あたりには水仙のいい匂いがたちこめています。水仙の咲き誇る斜面の向こうには海、そしてその向こうには国生み伝説の残る沼島(ぬしま)も見えています。天気もいいし、景色はきれいだし、来て良かった〜!

頂上付近から駐車場を見下ろして。ひぇ〜!た、高い!(クリックで拡大) 水仙と沼島。(クリックで拡大)

 しばらく頂上で海を眺めた後、遊歩道の順路に従い降りていきました。下にあるレストランは超満員。洲本を出る時、コンビニでおにぎりなども買っておいたので、途中で食べることにし、とりあえず出発です。さあ、この後はまた、山越えが待ってるぞ〜!

15分も走らないうちに、坂道が始まりました。坂の直前のバス停横でお昼タイムにし、おにぎりをあっという間にたいらげて、登坂開始です。アップダウンが続き、時にはやっぱり自転車を降りて押して歩くのですが、上り坂に慣れたのか、それとも実際に勾配が緩いのか、さっきの立川水仙郷の山道ほどではありませんでした。

 ところが困ったことに、何だか先ほどから両膝が痛みます。灘黒岩水仙郷を出る時は何ともなかったのに。数十分後、新川という交差点でT字路になり、ここで右折。大きなアップダウンはここまでです。本当はその後すぐ左折して、より海側の県道25号というのに入ろうかとも思っていたのですが、そちらはまだもうひと山越えるルートのようなので、膝のことを考えるとちょっと不安。少し内陸側になりますが、そのまま県道76号で宿を予約してある三原町へ向かうことにしました。

 事前に調べたところによると、このルートは比較的平坦とのこと。でもこの「比較的」ってのがミソでした。確かに、山道ではありません。でも、ぱっと見わからない程度の緩やか〜な上りがずーっと続いており、痛む膝にはこたえます。やがて、同じく緩やかで長い下りに転じるも、三原町の国衙(こくが)という交差点で国道28号にぶつかる頃には、痛みもピークに達していました。けれどまだ13時40分。宿に向かうには早すぎます。膝は痛いけれど、ここからそう遠くない淡路島牧場は、牛乳を無料で飲め、ソフトクリームもおいしいとの事。ここまで来たら、是非行きたい!

 というわけで、淡路島牧場です。結局来てしまいました。痛みよりも食欲の方がまさっていたのかと、我ながらあきれます。牧場といっても、小さな囲いの中に牛が数頭いるのと、ま流し目の牛〜。(クリックで拡大)た別の囲いにポニーが何頭かいるのと、小屋の中にウサギやらチャボやら孔雀やらインコやらが飼われているのが見られるだけでしたが、乳搾り体験や、バター・チーズ作りなんかも体験できるようです。売店横のミルク試飲コーナーで一杯いただき、売店でソフトクリームを注文。そろそろ寒くなってきていたところへ、よせばいいのにソフトなんか食べて、すっかり体が冷えきってしまいました。でも、シアワセ〜。実はかなりのソフトクリーム好きだったりします。

 さて、今日の目的はとりあえず果たしたので、そろそろ宿へ向かいましょう。今日の宿はサイクリングターミナル。周りには何もないとの事だったので、途中のコンビニで夕食を買い、痛む膝をだましだまし自転車をこいで行きます。

 諭鶴羽(ゆずるは)ダムの近くにあるので、宿まではずっと上り坂。途中チェーンが外れてしまい、薄暗い山道で途方にくれましたが、予習の通りにやってみたら簡単に直って一安心。

 それにしても、旅行の計画を立てていたとき、初めはこの宿に連泊してレンタサイクルであちこち回ろうかと考えていましたが、毎回この坂を上らなければ宿に帰れないことを考えると、やめて良かったかもしれないなあ。まあ長いだけで勾配はそうキツくはないので、普通だったら簡単に登りきれるのかもしれません。でもダメだぁ。膝の痛みに耐えかねて、ここでも無念の手押し。困ったな〜。明日までに治るといいのだけれど・・・。

 宿に着き、ひととおり館内を見物したけれど、他の宿泊客はいるのかいないのか、談話コーナーのようなものはあっても、だーれもいません。買ってきたお弁当で早めの夕食を済ませてからお風呂に入り、部屋に戻って家に電話を入れました。夫も子どもも何とか生きのびている様子。ヨカッタヨカッタ。明日も早いし、予定コースの確認だけして、床につくことにしました。

 明日は膝が良くなっていますように・・・。

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