あと半周!
2004年1月12日(月)
三原町(諭鶴羽ダム付近)〜大鳴門橋〜慶野松原〜五色浜〜北淡町 約70q
宿泊:北淡町自然休養村センター
          
 6時に起床。相変わらず目覚ましが鳴らなくても起きられます。普段の私からは考えられない生活リズムです。朝食をとり、身支度を整えて7時45分チェックアウト。フロントのおじさまに「ひとりで旅してるの?」と訊かれ、「はい。自転車で・・・。」と答えると、「へえぇぇ〜。」と言われました。それが、感心した「へぇ〜」なのか、あきれた「へぇ〜」なのかは不明。でも、「昨日は寒かったけど、今日はぬくくなるよ。気をつけて行ってらっしゃい」と言ってくれました。

 さぁ、今朝は昨日上った長い坂を下る番!鼻歌混じりに下りていき、国道28号で左折して海に向かいます。今日の最初の目的地は鳴門岬。そして慶野松原(けいのまつばら)と五色浜(ごしきはま)を見つつ海沿いをひた走り、北淡町の中心部まで行く予定。距離にして約70q。今回の旅行の中で一番長く走ることになるはずです。膝はやっぱりまだ痛むので、途中コンビニを見つけ、貼るカイロを買い、トイレで膝に貼りつけました。温めると少しラクな気がしました。

 順調にペダルをこいで行き、福良口という交差点で県道25号に入るべく、信号待ちをしようと減速したら、急に何か白いものが左の腿に落ちてきました。・・・ん?何だろ・・・・・・・・・・んげッ!トリフンだっ!!上を見ると、すまし顔のカラス。ムキーーーッ!なにすんのよ、このカラスッ。スッキリした顔しちゃってさあ、まさに●っそーーーッ、て感じ!?(下品ですいません・・・)まったくシツレーしちゃうわねぇっ!

 ティッシュでズボンをぬぐい、気を取り直して発進です。やがて坂が始まりました。鳴門岬の前後は、やっぱり山道。膝に不安は残るものの、ここまで来たら、うず潮を見なくては!

 ところがいざ上り始めてみると、案外膝も痛くありません。これは温めた効果?それとも、腕とか腹筋とか、他のところがキツすぎて紛れてるだけ?いずれにしても、昨日の立川水仙郷の上りに比べたら、全然楽勝。おいしい物は後にとっておくタチの私にとっては、最初にきつい方の山を越える時計回りにしておいて正解だったかも。お陰で今日は、自転車を手押しすることなく上りきれました。

 9時45分、「道の駅うずしお」に到着。売店でお土産を購入して発送の手続きを済ませ展望台テラスへ出ると、果たして大鳴門橋が見え、その向こうに四国の端っこも見えています。ふわぁ〜。とうとう半周しちゃったよ。途中、予定外のこともいくつかあったけど、あっという間だったなぁ。旅行ももうあと半分かぁ・・・。

道の駅うずしお。左のモザイク画は「熊谷次郎直美一の谷嫩軍記 須磨浦組打ちの場」と書いてありました。(クリックで拡大してみます・・・?)
 ふと下を見ると、もう少し橋の近くまで降りられる遊歩道のようなものを発見。どうせならもっと近くで渦潮を見なくては。一度建物の外へ出て左へ進み、回りこんで遊歩道に入ります。近くで見る大鳴門橋は圧巻。でも肝心のうず潮は、渦なんだか泡なんだかよくわかりません。確かに今日は大潮でもないし、満潮、干潮いずれの時間からも外れているので、仕方ないか・・・。
大鳴門橋。向こう側は四国。(クリックで拡大)
 徳島県側には、「渦の道」という橋桁のところに作られた遊歩道があり、床の一部がガラス張りになっていて、そこからうず潮を眺めることができるらしいのですが、淡路島側には、橋桁の真下の展望台に上がる階段はあるものの、テラスのようなものがあるだけで、そこからもやっぱり渦は見えず。残念。

 しばらく海を眺めたり写真を撮ったりして11時再出発。阿那賀の辺りまで少しだけアップダウンを我慢したら、あとは平坦な海沿いの道が待っていました。

 津井港を過ぎ、湊港を抜け、13時過ぎ、慶野松原へ到着。その名の通り、松林が広がる砂浜に自転車を停めて写真撮影していると、あとから50代くらいのご夫婦が来ました。奥様の方が私の自転車を見て、声をかけてきました。

 「・・・もしかして、自転車で周ってらっしゃる方?」
 「あ、ハイ。そうですが・・・」
 「さっきね、車であなたを追い越したのよ。坂道を自転車で下ってらして、とぉっても気持ちよさそうだったから・・・」

 そ、そんなに顔に出てました?
慶野松原。
 「でも、下ってたって事は・・・どこかで上ったって事よねぇ」
 「ええ、そりゃもう必死で(笑)」
 「すごいわねー。今日はどちらまで?」
 「北淡町まで行く予定です」
 「そうなの〜。頑張ってね!」

 ご夫婦に別れを告げ、慶野松原を出ました。誰かに褒めてもらうためではなく、単に自分がやりたかったから目論んだ、完全に自己満足の淡路島一周自転車旅行でしたが、褒められたり励まされたりするのはやっぱり嬉しいものです。ただ、私自身、若くて独身とかだったらともかく、3人の子持ちともなると、ちょっと気恥ずかしい気持ちもありました。でもま、頑張ったことには変わりないんだから、いっか!

 お腹はすいていたのだけれど、五色浜で海を眺めながらお昼を食べようと計画していたので、息子たちへのお土産にまつぼっくりを3つ拾って出発です。

五色浜。(クリックで拡大) 五色浜にはあっという間に到着しました。やっぱり平らな道だと早いなー。ここは慶野松原のような砂浜ではなく、いろいろな色の小石が砂の代わり。噂どおりきれいです。ウエットティッシュで手を拭いて、途中のコンビニで買ったサンドイッチを広げ、いただきま〜す♪ここでお昼を食べるというのが、やりたかったのよ〜。今日もいいお天気だし、五色浜はきれいだし、海の色もエメラルドグリーン。サンドイッチの味も格別です。五色浜の小石。(クリックで拡大)ここまで空腹を我慢してヨカッタ!

波打ち際。夏の海の美しさには定評があるようですが、冬だってなかなかのもの。(クリックで拡大) 昼食を食べ終え、名残惜しいけれど、14時20分、五色浜を後にしました。さァ、ここからはただひたすら宿に向けて進むだけです。時間的には震災記念公園に寄るのは無理。でも充分満足です。行きたいと思っていたところにはほぼ行けたし、なにより自転車による一周完走が実現できそうだから。


サンセットラインからの夕日。 順調に進み、16時50分、北淡町役場に到着。宿は素泊まりでとっているし、やはり宿の周りには店が何もないとのことだったので、この付近で夕食を調達しなくてはいけません。うろうろしていると、テイクアウトのできる定食屋さんを発見。食べていくにはちょっと早いし、ここでから揚げ弁当を買い、宿へ向かいました。

 今日の宿も、常盤ダムというダムのほとり。サイクリングターミナル同様、長い長い坂を上っていきます。こりゃ、明日の朝下るのが楽しみ、とでも思わなきゃやってられない上り坂。サイクリングターミナルへの坂より、すこしきつく感じました。

宿への道の途中。上方の白いのはガードレール。まだまだ上り坂が続きます。翌日ここであんな目に遭おうとは。(クリックで拡大) 暗くなってきた山道をえっちらおっちら上りきり、ようやく宿へチェックイン。それにしても、坂の途中では車に追い抜かれることもなく、宿の駐車場にも一台も停まっていません。フロントで聞いてみると、「今日は貸切ですよ〜」や、やっぱり・・・。

 ベッドの2つある、小ぎれいで広々とした洋室を使わせてもらい、申し訳ないくらい。一人淋しく部屋で食事をし、家に電話を入れて子ども達と少し話し、お風呂に入ってからテレビを見て過ごしました。

 この旅行中、宿で他の旅行客と会うことがほとんどなかったなぁ。宿泊料の安いことを基準に選んで交通の便のあまり良くない宿が多かったからかな。気を遣わなくて済むのはいいけれど、少しくらいは交流が欲しかったかも。これからはそういうポイントも視野に入れて宿を選ぼうと思いました。「これから」があるかどうかは、夫にかかっているのですけれどね。

 明日はとうとう淡路島を発つ日。旅行中の出来事を思い返しながら、眠りにつきました。

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