自転車旅行ふたたび
2004年4月25日(日)
自宅〜谷中湖〜古河市 約93q
宿泊:ホテル サンシャイン
                         
風の中の出発

 土〜日で行こうと思ったら夫が土曜日出勤だったので日曜日に出発。私もちょっと前に休日出勤した振替を月曜日に充て、日〜月で行くことにしました。

 朝食を食べて、朝8時半すぎに出発。天気は快晴、でも風が強め。淡路島の時のように、自転車ごと吹っ飛ばされることはないにしても、なんだか走りにくいなぁ。

 今回の目的地、谷中湖は、我が家から80qくらい離れた人工湖。あんまりメジャーなスポットではなさそう、というよりハッキリ言ってかなりマイナーっぽい。でも、単にたくさん走るのに何か目標になるものが欲しかっただけで観光が目的ではないし、かえってすいている方がいろいろと好都合だし、アップダウンなく行けて距離も手ごろ、自転車旅行超初心者にはちょうど良さそうに思いました。

 買ったばかりのツーリングマップルで大まかな道順を決め、インターネットからプリントアウトしたもう少し詳細な地図にマーカーでルートを書き込んだものを頼りに自転車を進めます。淡路島の時と違って、今回は目的地まではずっと市街地を走り続けるので、あんまり楽しくないといえば楽しくないのですが、裏道も使いながらなるべく最短距離をとれるコースになるよう、結構ちょこちょこ道を変える予定。曲がるポイントを間違えてはいけないと、地図と照らし合わせながらちょっとした探検気分でこぎ進めました。迷う心配なく景色を楽しみながら走るのも楽しいけれど、自分で決めたルートの通りに道が続いているのを見るのもそれなりに快感です。

 それにしても風が強い!砂は目に入るし、向かい風気味だし、ペース遅くなっちゃってるなぁ。結構頑張ってこいでいるつもりなのに、メーターは時速13qだったり。谷中湖にはいったい何時に着けることやら。


わりと順調な前半

 最初はひたすら北上します。まずはJR中央線の武蔵境駅まで走り、 駅の北側からのびている武蔵境通りを北へ北へ。西武新宿線を越えたところで北西に続く都道223号に入り、保谷小学校前 で地方道36号に折れて・・・とまずは予習どおりに進みます。車もそれなりに通るので快適とまでは言えないけれど、歩道を走らせてもらうことにし、あまり怖い思いはせずに済みました。そのまま36号をしばらく走ります。
 
 東京都って東西には長いけど、南北は大して距離がないので、ゆっくりペースにもかかわらずあっという間に埼玉県に入りました。街並みは私の住んでいる市と全然変わらないのに、「自分の住む東京都を抜けた」というだけで、何となく文化の違う土地に来たような感覚になるというか、旅行しているという実感がわいてきます。我ながらお手軽な性格。

 そんな感覚にひたっていたら、小学4年生の時、友達とその妹と私の3人だけで初めて自転車で遠出した時のことをふと思い出しました。特に目的地があったわけではないのだけれど、自分達の小学校の前の道をずうっと進んでいったらどこに行くのか確かめてみたくなり、ただひたすら道なりに自転車を走らせたのでした。校区外に出ただけで、自分達の住むところとはまったく違う街に入り込んでしまった気がして、でも不安よりも好奇心の方が勝っていたのを憶えています。畑を抜け、高速道路の高架下をくぐり、何車線もある大きな道路を渡り、見慣れない電車の通る踏み切りを超え・・・やがて道がつきあたったとき、友達の妹が帰りたいと泣き出し、もとの道を引き返したのでした。つきあたりといっても、先に進もうと思えばその先にも細い道は続いており、あの先はどうなっているんだろうと心の中で思いながら帰った記憶があります。家に着いてから私の親にこっぴどく叱られましたが、あの時の「冒険」は今でも忘れられません。ま、冒険といったって、往復たった7〜8qのこと。大人になった今では全然遠いとも思わない距離ですが、あの頃はすごく遠くまで行ったという感覚がありました。

 さて、大昔話を思い出しているうちに、埼玉県の志木市役所前を通過。いろは橋という橋を渡ってすぐのところで「中宗岡1」 という交差点で左折だったっけ。そっけない交差点で、危うく見逃してしまうところでした。曲がったら違う線に入るのかと思いきや、地図によればこの道も今まで走ってきた地方道36号の続きのようです。そのまま県道113号に変わり、道が大きく左に曲がるところで道をそれて直進し、荒川沿いの道(サイクリングロード、なのかなぁ?)に入る・・・つもりでした。ところが113号を離れた後、その道に入るポイントがよくわからずウロウロ・・・。道は砂利道になり、終いには行き止まりに。実際の道と地図があっていません。うぅ、地図だけが頼りだというのにー。


雲行きがアヤしくなる中盤

 自慢じゃないけど、方向音痴の私。地図どおりに進むことはできても、地図上の現在地を一度見失うと、今自分がどの方角に向かって走っているのかすぐにわからなくなってしまうのです。そんなときは太陽の位置で方角を把握するのだ、と言われたことがありますが、太陽を見ても今イチよくわかりません。太陽と腕時計の針で方角を割り出す方法もあるけれど、持ってきている時計といえばPHSとサイクルコンピュータの、つまりデジタル時計のみ。アナログ時計を想像して暗算(?)するのは1〜2回ならいいけど、方角を確認しながら走るのには効率が悪いし。

 でも大丈夫!こんな時のために、今回の私は方位磁針を持ってきているのです!

 ・・・・・がっ!

 方角がわかっても道がないんじゃ進めないじゃないの〜〜〜。

 地図にあるはずの道が途切れており、どこから目的の道に入ればいいのかわかりません。入り口を探していると車に乗った50代くらいのおじさんが、この先のゴルフ場に行きたいんだけど、ここからどうやって行けばいいかと聞いてきました。自転車でふらふらしてるから、地元の人だと思ったんだろうなぁ。でも、残念でした、私も迷子なんです、え〜ん。とりあえず持っていた地図を見せ、今この辺りだと思いますがこの地図はちょっと違ってるのでこっちの県道を行った方が良さそうですよと話し、おじさんと別れました。

 さァ私も進まなければ。本当は、ちょっと遠回りだけどそのままおじさんと同じく県道に戻って進んで行けば確実。でも悔しいので何とかして予定の道に入りたい。もう一度探してみようともと来た道を戻ると、駐車している車の陰に、入り口らしき道がありました。草が両側に生えていてよくは見えないけれど、土手の上にあるであろう川沿いの道へと続いているようです。車止めに「通行禁止」と書いてあるのが気になりましたが、自転車が通れるだけのスペースは両脇にあるし、さっき上の道を自転車が走っていったのも見たから、大丈夫よね・・・?(本当は入っちゃいけないんだったらどうしよう)

サイクリングロードと併走する道
サイクリングロードに併走する道。クリックで拡大します。
 土手の上の道は、入ってしまえば走りやすい道でした。やっぱりサイクリングロードなのかな?アスファルトがちょっと傷んではいましたが、さっきまでの砂利道に比べればラクなもんです。最初は右手に川を見下ろしながら吹きっさらしの高いところを走
治水橋
治水橋。クリックすると橋の上からの眺めが見られます。
るのですが、すぐに併走する下の道が現れ、そこは通る車もほとんどなく、まっすぐ、まったいら。そして4qほど進んだところで治水橋(じすいばし) というのが見えてきました。橋に入るために、また少し坂を上って上の道に入ります。渡ってみると、さすが荒川。橋から見える河川敷はとても広く、ゴルフだけでなく、野球もやっていたり、ゲートボールのような競技もやっていたり。緑も多く、見晴らしが良くて、ちょっといい気分です。


ムムムな後半

 その後、地方道56号を進み、「水判土(みずはた)」 という交差点で国道17号を避けるべく裏道に入ります。でもこの道、地図で見ていたときは細そうで裏道っぽかったのだけれど、いや、確かに裏道なんだろうけれど、地元の抜け道という感じで、大した道幅もないのに車は結構通るし、歩いている人たちもいっぱい。なまじ細い道なので歩道と車道の区別もなく、自転車ではちょっと走りにくかった・・・。

 そして避けたはずなのにいつの間にか心待ちにしていた広い国道17号にやっと出たと思ったら、国道16号への合流地点で立体交差になっており、自転車は入れそうもありません。やっぱりダメだったか。家で予習した時、ヤな予感はしてたのよね。慌てて地図を見直し、なんとか17号をくぐるトンネルを見つけ、16号に右側から合流します。が、この16号、広すぎてなかなか向こう側に渡るポイントがありません。そのまま右側の歩道を走っていると、有無を言わさず歩道橋に上らされたり、上った頂上にはホームレスのおじさまが横たわっていたり(まぁこれは道路のつくりのせいじゃないケド)、やっと左側に渡ったと思ったら、高崎線の線路を越えるところでまた高架になり、自転車は下の道に下ろされたり。

 仕方なく踏み切りを探していると、線路の向こう側にファミレスが見えました。そういえばお腹がすいてきたなぁ。時計を見ると12時ジャスト。なんて正確な腹時計。走りにくい道で消耗したし、ここで昼食をとることにするかな。

 メーターによるとここまでで41q、約半分です。思ったより時間がかかってしまっています。でもとりあえず、今日は着ければいいや。谷中湖を見物するのは明日でも大丈夫。しばらくして料理が運ばれてきたところで、いただきまーす!


挽回の最終章

 食事を終え、トイレも済ませ(失礼)、再度出発です。国道16号から県道3号に入り、北上を続けます。「関山」 というところを過ぎ、元荒川を越える新今宮橋 を渡ってすぐのところで、川沿いに走りやすそうな道を発見。地図で見てみると、4qほどでしょうか、予定の道にほぼ沿った形で色のついていない細そうな道が記されています。川に沿ってゆるやかに曲がっているので、このまま県道3号を行くよりも若干距離があるかもしれないけど、川を横目に走る方が気持ち良さそう。ということでちょっとだけ予定のルートを外れることにしました。

 これが結構正解でした。そこは川に面して立つ家々の車しか通らない、でもちゃんと舗装された道で、地図で見るよりずっと広く走りやすいところです。子ども達が三輪車に乗ったりおままごとをしたりして遊んでいる、のどかな道でした。川原と道の間に立ち並ぶ並木のせいか、羽虫が多いのがちょっと気になりましたが、かたまってゆっくり飛んでいるので、いた!と思ったらただちに体を傾ければ回避できる程度。いや、遠目に見たらたいそう挙動不審ですが、よけそこなうと羽虫の大群に顔から突っ込むことになるので、右!左!と突然上体を振りながら進んでいきます。それでも県道で排気ガスを吸いながら車と一緒に車道を通ったり細い歩道の凹凸に煩わされるよりずっと快適です。

 その後ふたたび県道3号に合流し、ひたすら北上。ここは歩道が細いかと思うと、思い出したように広くなったり、走りやすいんだか走りにくいんだかよくわかりません。「高柳」 という交差点で一瞬国道125号に入るけれど、500
谷中湖の入口
谷中湖の入口。クリックで拡大します。
湖ぎわの風景は
こちら
メートルくらい走って「佐間西」 で地元道に入ります。何やらあたり一面に肥料の臭いが立ち込める道でしたが、交通量は激減、走りやすさで言えばかなりラクでした。 ここからは予習どおりなるべく回り道をしないようこまめに交差点で曲がり、住宅街や畑の間の道を通り、埼玉大橋で利根川を渡れば、谷中湖は目と鼻の先です。 住宅街がぷっつりと切れ、谷中湖南西を流れる谷田川の土手の上の県道9号に上がり、午後3時45分、とうとう 谷中湖に到着です。

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